頭痛はありふれた疾患であり、人口の4人に1人が患っていると言われています。
頭痛には、命に関わらないもの(一次性頭痛)と命に関わるもの(二次性頭痛)に分けられます。
命に関わらないものの代表例として、緊張型頭痛(筋肉のこりが原因)、片頭痛や群発頭痛(頭の血管の過度の拡張が原因)などですが、これらは適切な治療で改善します。
命に関わるものとしては、クモ膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などがあります。
重苦しく頭を締め付けられる感じがするのが特徴で、数日程度痛みが続きます。原因は肩や首の筋肉の緊張です。日本人は肩こりに悩む方が多いため、緊張型頭痛が起こりやすいといわれています。
頭から首、肩にかけての筋肉が緊張すると血流が悪くなります。その結果、疲労物質が筋肉に溜まって神経を刺激し、緊張型頭痛特有の痛みが発生します。筋肉の緊張は、長時間同じ姿勢をとり続けることや、心配や不安などの精神的ストレスなどから発生します。緊張型頭痛は、痛みが起こることで元々あった筋肉のこりや血流の悪さがますますひどくなるため、痛みが長引きやすい傾向にあります。
ストレスは緊張型頭痛の大敵なので、予防のためには趣味やスポーツなどで適度な息抜きをすることが大切です。また、デスクワークやパソコン作業、車の運転などで長時間同じ姿勢になってしまう場合は、時々休憩して軽いストレッチをしたり、一定時間ごとに姿勢を変えるなどの習慣をつけましょう。 また、眼精疲労や歯の噛み合わせ、合わないメガネによる圧迫、高さが合っていない枕などが影響していることがあるため、目や歯のメンテナンスをしたり、普段使っている生活用品を変えてみるのも良いでしょう。
ズキンズキンと脈打つような痛みが発作的に現れます。頭痛とともに吐き気を感じることもあります。片頭痛は女性に多い頭痛ですが、親の片頭痛が子どもに遺伝するともいわれています。
頭部の血管が拡張して炎症すると、その周辺の神経が刺激されて片頭痛が起こります。原因としては強いストレスやホルモンバランスの乱れ、アルコールや食事などが挙げられます。
片頭痛は、日常生活でストレスを感じる場面が多いこと、寝過ぎまたは睡眠不足などの偏った生活習慣、物理的刺激(人混みや騒音、まぶしすぎる光など)などから起こります。また、運動をせずに過度な食事制限のみを行うといった無理なダイエットやアルコールの過剰摂取も片頭痛を引き起こします。予防のためには規則正しい生活を心がけましょう。 痛みを感じた場合は部屋を暗くし、こめかみを冷やすなどして安静にします。また、コーヒーや緑茶などのカフェインが入った飲み物は血管を収縮させる作用があるので、痛みを感じた際に飲むと症状が収まることもあります。
片目の辺りに我慢できないほどの強い痛みが走るのが特徴です。 片頭痛が女性がかかりやすいのに対し、群発頭痛は男性がかかりやすいといわれています。片頭痛や緊張型頭痛に比べると知名度が低く、患者数が少ない頭痛ですが、痛みのレベルが他の頭痛とは段違いで、日常生活に大きな支障があります。
原因は今のところはっきりとわかっていません。ただ、発作中は目の後ろ辺りにある太い血管(内頸動脈)が腫れるため、その血管によって周りの神経が刺激されて激痛が起こるのではないかといわれています。自律神経が刺激されるので、痛みと同時に目の充血や鼻水、発汗などの症状が現れます。
アルコールは頭痛を引き起こしやすくするので、発作期間中の飲酒は控えてください。入浴後に頭痛が起こるのであれば、シャワーのみにしましょう。また、血管を拡げる作用のある狭心症治療薬のニトログリセリンなどは頭痛を誘発します。服用している場合はかかりつけの医師に相談してください。
頭が重く感じるが、さほど痛みはないといった軽いケース、バットで殴られたような強い衝撃と痛みで吐き気・嘔吐、意識喪失を伴うケースがあります。
突然激しい頭痛に襲われて手足のしびれや脱力が起こるケース、徐々に頭痛がひどくなっていくケースがあります。言語障害や視野障害が起きるだけでなく、意識障害に至ることもある恐ろしい病気です。
主な症状は頭痛や嘔吐、進行性の片麻痺、けいれん発作です。脳腫瘍の場合は朝方に頭痛が起きますが、起床後は落ち着いてくることが多い傾向にあります。
高熱やうなじのあたりの硬直、けいれんや意識障害、後頭部に強い痛みを感じるといった症状が現れます。ウイルスや細菌が髄膜内に炎症を起こしており、命に関わるため一刻も早く適切な処置を行うことが必要です。